おはようございます。悠々漢方です。
昨日は、肌のかさつきに秋の乾きが表れはじめるおはなしをしました。乾きを感じ取るのは、肌だけではありません。今朝は、体の内側でいちばん外気にさらされている場所──のどと、その奥の話です。
【今朝の1問】
朝晩の空気が乾きはじめると、こんこんと乾いた咳が出たり、痰がねばついて切れにくくなったりします。東洋医学では、乾きの影響をもっとも受けやすい臓はどれでしょう?
1. 肺(はい)
2. 腎(じん)
3. 肝(かん)
(少し考えてみてくださいね。答えは下にあります)
【答えと解説】
正解は「1. 肺(はい)」です。
東洋医学では、五臓にはそれぞれ苦手な環境があると考えます。夏に何度もお話しした脾が湿気を嫌ったように、肺が嫌うのは乾きです。肺は呼吸を通じて外の空気と直接ふれあう臓であり、同時に、体の表面や皮膚、鼻やのどまでを守る役割も担っています。ですから空気が乾きはじめると、肺はまっさきにその影響を受けます。乾いた咳、切れにくい痰、のどのいがらっぽさ、声のかすれ。これらはどれも、肺のうるおいが不足しているサインと見ます。
肺という臓は、しっとりとした薄い膜のようなものだと思ってみてください。ほどよくうるおっているあいだは、空気を柔らかく受けとめ、ほこりも一緒に外へ運び出してくれます。けれど乾いて硬くなると、わずかな刺激にも過敏になり、咳という形で反応するようになります。ねばつく痰も同じで、水気が足りないために流れが悪くなり、その場に貼りついてしまうのです。乾いた道路にほこりがこびりつくのと、よく似ています。
この、乾いてこもった肺を整える処方に清肺湯(せいはいとう)があります。肺にうるおいを補いながら、粘りついた痰をさばき、長引く咳を落ち着かせていくという構成の一剤です。七月にご紹介した麦門冬湯(ばくもんどうとう)が、こみあげるような乾いた咳に向くのに対して、清肺湯は痰がからんで切れにくい状態に用いられることが多い処方です。同じ乾いた咳でも、痰のありようで手当ては変わってくるのですね。
今日できる簡単な養生として、今日は寝室の乾きに気を配ってみましょう。冷房を使うなら、洗濯物を室内に干す、枕元にコップ一杯の水を置く。それだけでも、眠っているあいだの肺の負担はずいぶん軽くなります。
📖 さらに深く学びたい方へ
今朝の「乾きと肺」について、こちらの記事もあわせてご覧ください。
・悠々漢方note記事:清肺湯(せいはいとう)
URL:https://note.com/yuyukampo/n/n50f198a08c97
・悠々漢方note記事:風邪や咳症状に対する日本での市販薬使用状況は?
URL:https://note.com/yuyukampo/n/nb305f5dd9018
あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。また明日の朝、ここでお会いしましょう。

