おはようございます。悠々漢方です。
十月になりました。昨日はお腹の冷えをたどりましたが、今日はもう少し下へ降ります。上半身はふつうに元気なのに、腰から下だけが冷たい。そんな声が、この時期からはっきり増えてきます。
【今朝の1問】
腰から下が冷えて重く、水の中に座っているように感じる。上半身は元気で、食欲にも障りはない。腰まわりを温めながら、そこにたまった水を動かす方向で調えるために用いられる漢方薬は、次のうちどれでしょう?
1. 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
2. 猪苓湯(ちょれいとう)
3. 白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
(少し考えてみてくださいね。答えは下にあります)
【答えと解説】
正解は「1. 苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)」です。
古い書物に、この状態を言いあらわした一節があります。腰から下が冷えて痛み、腰の重いことは五千銭を帯びるがごとし。五千枚の銭を腰にぶら下げているような重さ、という書きぶりです。千年以上前の言葉ですが、腰の重だるさを訴える方の表情と、驚くほどよく重なります。
配合は茯苓(ぶくりょう)、乾姜(かんきょう)、白朮(びゃくじゅつ)、甘草(かんぞう)の四つだけです。昨日の大建中湯(だいけんちゅうとう)にも入っていた乾姜が、ここでも働いています。お腹の奥を温めた同じ生薬が、今日は腰のあたりを温める役をします。そこへ茯苓と白朮が加わって、たまった水を動かします。温めることと水をさばくこと。今週たどってきた組み合わせが、ここでも出てきます。
この処方でとくに大事なのは、上半身が元気だという点です。顔色は悪くなく、食欲もあり、頭もはっきりしている。冷えているのは腰から下だけ。つまり、体ぜんたいの熱が足りないのではなく、下半身へ向かう道のりのどこかで熱が届かなくなっている状態になります。明日はもう一段深いところ、熱そのものが生まれる場所のおはなしをしますが、今日の型はそこまで行っていません。同じ腰から下の冷えでも、道が冷えているのか、大もとが細っているのか。ここを見分けます。
二番目の猪苓湯は、尿の出しぶりや残る感じに用いられる、水の道を通す処方です。三番目の白虎加人参湯は、強い熱と激しい渇きを冷ます処方で、今朝とは向きが正反対になります。
今日できる簡単な養生として、椅子に座るとき、腰のうしろに薄い膝掛けを一枚はさんでみてください。座面から伝わる冷えは、思いのほか長く居座ります。
📖 さらに深く学びたい方へ
今朝の「腰から下の冷え」について、こちらの記事もあわせてご覧ください。
・悠々漢方note記事:苓姜朮甘湯(りょうきょうじゅつかんとう)
URL:https://note.com/yuyukampo/n/nb8e3bf578e52
あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。また明日の朝、ここでお会いしましょう。

