おはようございます。悠々漢方です。
今週は、熱の届かない場所を外から順にたどってきました。手足の関節、お腹、腰。今日は最後にもうひとつ深いところ、体の温かさがどこから生まれているのかというところまで降ります。
【今朝の1問】
足腰が重だるく、力が入りにくい。下半身は冷えるのに、手のひらや足の裏だけがほてることもある。夜中に何度も目が覚める。年齢とともに増えるこうした状態を、温める大もとから調えるために用いられる漢方薬は、次のうちどれでしょう?
1. 八味地黄丸(はちみじおうがん)
2. 六味丸(ろくみがん)
3. 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
(少し考えてみてくださいね。答えは下にあります)
【答えと解説】
正解は「1. 八味地黄丸(はちみじおうがん)」です。
東洋医学は、体の温かさの大もとを腎に置きます。腎は水をつかさどる臓ですが、同時に、生まれ持った力を蓄えておく場所でもあります。ここには命門の火という言い方があり、生涯にわたって消えずに燃えつづける種火のことを指します。この火から、今週たどってきた温煦の熱が生まれてくる、という順序です。ですから足腰が冷えて力が入らないというのは、末端の問題ではなく、火のもとが細くなった姿になります。
八味地黄丸という名前は、八つの生薬という意味です。うるおいを足す六つの生薬に、桂皮(けいひ)と附子(ぶし)という温める二つを加えた形になります。三週間前の九月十一日に六味丸のおはなしをして、その週の日曜に、これへ温める生薬を足したものがある、と一言だけ添えました。今日はその処方が主役になります。六味丸が向くのは、うるおいが足りずに熱がこもってしまう方でした。同じ土台から出発して、うるおいを足すほうへ進んだのが六味丸、火を足すほうへ進んだのが八味地黄丸ということになります。
下半身は冷えるのに手のひらだけがほてる。この一見ちぐはぐな組み合わせが、手がかりになります。火のもとが弱ると、残った熱は行き場を失って上や表面へ浮きます。下は寒く、上は熱い。今週の月曜に、冷えているのは届いていないからだとおはなししましたが、その届かなさが極まった形が、ここに出てきます。
三番目の当帰芍薬散は、血の不足と水の停滞が重なった冷えに用いられる処方です。冷えという入り口は同じでも、どこが細っているのかが違います。
今日できる簡単な養生として、湯船につかったあと、足の裏をよく拭いてから靴下をはいてみてください。濡れたまま冷やさないことが、ここでは効いてきます。
📖 さらに深く学びたい方へ
今朝の「足腰の冷え」について、こちらの記事もあわせてご覧ください。
・悠々漢方note記事:八味地黄丸(はちみじおうがん)
URL:https://note.com/yuyukampo/n/nb3630f960b6a
・悠々漢方note記事:六味丸(ろくみがん)
URL:https://note.com/yuyukampo/n/ndfff2a6cf9d1
あなたの毎日が、少しでも元気で快適なものになりますように。また明日の朝、ここでお会いしましょう。

